子宮筋腫との出会い
婦人科に行くのは躊躇する。誰かの前で究極に恥ずかしい部分を見せないといけないから。
けれども、ちゃんと妊娠できる体なのか教えて欲しくて、結婚後、とある駅近の有名なレディースクリニックに行った。
不妊治療という名の元、排卵のタイミングに行為をする。排卵のタイミングは、卵の大きさを恥ずかしい部位に機械を入れて見る。そして注射で排卵の卵を増やしたりした。
事前の検査で、チョコレート嚢胞があるね、やら、小さな筋腫があるね、なんて言われていた。
チョコレート嚢胞はある日消えていて、筋腫は妊娠しても邪魔にならない程度だった。
今から10年前の話・・・
不妊治療を諦めたのは、、
私は女性には妊娠適齢期があって、早くしないとと焦っていた。タイミング行為は、自分を苦しませる結果となった。人工授精は比較的安価だったため、何度か採取カップを貰って帰った。しかし、旦那は呑気に何もしなくていいと言い出し、意見が合わず、不妊治療を諦めた。
先生から、筋腫が5センチ以上大きくなるようだったら、紹介状書くから設備の整った病院で処置を受けるよう言われた。それっきり、そのレディースクリニックに行く事は無かった
入社前検診
3年前某会社に入社する前、健康診断を受けるよう指示があった。その時、知ってる人が働いている病院に行ったら、お腹の触診をされた。先生は女性だった。今まで、お腹の触診なんてされた事はなかった。
先生は、筋腫、大きいから、早く病院に行った方がいいと言った。その後、その病院で働いていた知り合いの人に聞くと、私の診断してくれた先生の評判は良かった。なのに、私は、2年そのまま寝かした。
友達への相談
レディースクリニックへ行くと、お腹の大きな人がいて幸せそうに見える。
なんなら旦那さんと仲良く受診していたりして、自分がみじめに感じる。
その上診察室では、さらには恥ずかしい姿をさらさないといけないので、足が遠のいていた。
博士号も持つ友達が、「UAE(子宮動脈塞栓術)を受けるといいよ」と教えてくれた。
自分なりに調べたものの、愛知県で手術をしている病院が少ない。
さらには、私が入っていた第一生命保険のレディースエールでは、保険が落ちないようだった。
もたもたしているうちに、私は次の転職を目指し、職業訓練校に入校した。
UAE(子宮動脈塞栓術)とは、子宮動脈の血流を絶ち、子宮筋腫に栄養や酸素が行き届かないようにすることで、子宮筋腫を小さくする方法です。子宮筋腫は、子宮動脈から栄養補給されていますが、この手術では、子宮動脈にスポンジ状のゼラチン(塞栓物質)で栓をすることで血流を止めます。ゼラチンは、1ヶ月ほどで体内に吸収されます。子宮動脈塞栓術は、子宮筋腫を小さくすることが目的で、筋腫を根治することはできません。栄養と酸素を断たれた筋腫は、3ヶ月で50%、6~12ヶ月でぐらいの容積まで縮小します。筋腫の縮小により、子宮過多や子宮困難症などの症状は改善しますが、中には筋腫の縮小が十分でなく、症状が改善しないこともあり、別の治療が必要となることもあります。 出典;子宮筋腫.comのサイトより引用(https://sikyukinsyu.com/uae/)
女医を探す
職業訓練校の修了間近に重い腰をあげて、近所の女医のいる婦人科を探した。お腹のでっぱりは、久しぶりに会う友達にびっくりされる程、大きくなってしまっていた。
そこそこ大きな病院に、婦人科の女医を予約していく事にした。そこで恥ずかしい所をみせる事もなく、触診し、MRIを受けるよう言われた。
結果、あまりにも筋腫が大きいので、血管を圧迫している可能性があるといって、お尻を下にしない寝方を伝授された。
その病院での手術は、開腹となるとの事で、子宮筋腫の手術で定評のある藤田医科大学病院を紹介された。藤田医科大学病院でも女性の先生をお願いする事ができた。
藤田医科大学病院の婦人科を訪ねる
大病院なので、紹介状がないとみてもらえなかった。
近所の病院でも紹介状をもらうのに、時間がかかり、さらには自分で予約もできなかった。
病院の事務の方が予約をしてくれた。大きな病院は、先生が日替わりで来ているようで、物事がスッと進まないなと感じた。
初めて行った藤田医科大学病院は、とてもきれいで、大好きなドトールもあるし、長い時間待つけど、本を持っていけば快適だし、毎回ひょうひょうと通う事ができた。家から車で30分で着くし、ワクチン接種会場だったので3回目の接種も一緒に済ませる事ができた。
先生は私より若いけれど、サバサバした女性だった。大きな病院なので、時々研修の先生が同席する事もあった。最初の診察で、超音波の検査時にあの恥ずかしい姿になったんだけれども、筋腫が大きすぎて機械が入らなくなっていた。そして、先生は腹腔鏡手術は無理だと言い放った。ショックだった。
それでも、薬を飲んで劇的に筋腫の小さくなる人もいるから、最大6か月飲んでみようと高い薬を飲む事になった。
手術の日程と薬の副作用
私の保険契約とのからみで、最大6か月薬を飲んだ後に手術をしたいと先生に言った。
その時すでに手術の予約はいっぱいで、7か月後なら日にち指定で予約ができると言われた。7か月は遅すぎると思い、キャンセル待ち枠に入れてもらう事にした。それでも、開腹手術を避けたくて、薬を最大飲んだ後の手術を希望したところ、先生はあきれていた。
手術の日程は、手術をする2週間前にしか分からないとの事、この時転職活動をしていた私の頭上に暗雲が立ち込めた。この時内定をもらった会社に、お断りの連絡をした。
レルミナという薬を6か月飲む事になった、副作用として更年期症状に似た症状が出る可能性があると言われた。骨粗しょう症も早まると言われた。手術を早くするために、本来なら生理が終わってから飲み始める薬を、もらった次の日から飲み始める事になった。
更年期症状でよく聞く、変な暑さが私にやってきた。転職活動を断念した為、アルバイトを始めた。気分転換に今までやった事のない仕事を選んだ。Amazon倉庫で働いてみた。荷物を持ち運ぶ事が多いその仕事で、指先や足先が痛くて仕方なくなった。肉体労働だったので、筋肉痛と思っていたら、どうやら副作用だった。3か月もたず、Amazon倉庫のバイトは断念した。施術が終わった今も、うっすら指が痛く感じる。リウマチの症状なのだろうか、薬の効果と肉体労働のアルバイトをした事によって、体がほっそりした。お腹もすっかりひっこめる事ができるようになった。
先生の所見
すっかりお腹がひっこんだので、嬉しくなって先生に伝えた。どうしても腹腔鏡手術にして欲しかった。先生は、手術前のMRIを撮るまでは何とも言えないと言った。この病院で、恥ずかしい姿を見せたのは、たったの1回だった。私にとってあの診察がとても嫌でストレスだったんだと、今更ながら気が付いた。